1on1で話すことがない部下へ|5分で作る「今の状態」と相談メモ
1on1で話すことがないときは、立派な成果や新しい話題を用意しようとせず、最近の出来事を一つ選んでみてください。
「何があったか」「どこで困ったか」「何を相談したいか」の3点があれば、短い相談メモになります。
たとえば「今週は忙しかった」で止まってしまうなら、「急ぎの依頼が重なった。どちらを先にするか迷った。優先順位を一緒に決めたい」と分けてみる。
話題を増やすより、上司と何を確認したいかを絞る準備です。
この記事では、部下の立場でそのまま使える記入欄と、仕事の状態から話題を選ぶ問いを紹介します。
5分は準備の目安です。全部を埋めず、話せることを一つだけ持っていっても構いません。
「話すことがない」の中身を分ける
今の自分に近いものを選んでください。同じ「特にありません」でも、準備する内容は変わります。
- 困りごとが思いつかない: うまく進んだことや、続けたい働き方を一つ振り返る。
- 何か引っかかるが、言葉にならない: 気持ちの理由を説明しようとする前に、最近あった場面を一つ書く。
- 話題はあるが、上司には話しにくい: 内容を掘り下げる前に、面談の目的や記録の共有範囲を確認する。
話題が浮かばないことだけで、自分の意欲が足りないと決めつける必要はありません。「何を話す場なのか分からない」なら、それを最初の確認事項にできます。
「今日は業務の進め方について相談してもよいですか。それとも、まず進捗を確認する時間でしょうか」と聞くところから始めましょう。
5分で作る、事実・困りごと・お願いのメモ
直近1週間の予定表や作業メモを見ながら、以下を埋めてみてください。登録や専用のシートは必要ありません。
手元のメモ帳にコピーして使えます。
1分目:最近の出来事を一つ選ぶ
大きな成果でなくても構いません。作業が止まった、相談できた、いつもより取り組みやすかった、といった一場面を選びます。
- いつ・どんな仕事で:____
- 実際に起きたこと:____
「毎日大変」より「火曜日、締切が同じ依頼が二つ来た」のように、思い出せる範囲で具体的にします。
数や時間が分からなければ、無理に正確そうな値を入れなくて大丈夫です。
2〜3分目:困った点、または続けたい点を書く
- 自分が迷った・困ったこと:____
- 困っていなければ、うまくいった・続けたいこと:____
- すでに試したことがあれば:____
「上司が何も考えてくれない」と相手の考えを推測するより、「優先順位が分からず着手を迷った」と、自分に起きたことを書くと相談内容を絞れます。
原因まで説明できなくても構いません。
4〜5分目:今日相談することを一つ決める
- 今日一緒に確認したいこと:____
- 上司にお願いしたいこと:助言・判断・調整・まず聞いてほしい、のうち____
最後に、この形にまとめます。
「今週、__がありました。__で迷っています。今日は__を相談したいです。」
困りごとがない場合は、「今週は__がうまく進みました。__を続けたいので、次もこの進め方でよいか確認したいです」と変えられます。
解決策を用意してからでないと相談できないわけではありません。お願いが決まらなければ、「自分でも整理できていないので、まず状況を聞いてもらえますか」で始めてみてください。
出来事を選べないときは、5つの角度から見る
どこから振り返ればよいか迷う場合は、Moyakeで仕事の状態を考えるときの5つの軸、活力・熱意・没頭・裁量・つながりを手がかりにします。
ここでは点数をつけたり診断したりするためではなく、相談の入口を探す問いとして使います。
全部に答える必要はありません。一つ引っかかったら、先ほどのメモへ戻ってください。
活力:どの仕事の後に、余力がなくなった?
忙しかった日を一つ選び、何が重なっていたかを振り返ります。
相談の例は「急ぎの対応と定例作業が重なる日の優先順位を決めたい」です。頑張り方だけでなく、引き受ける量や順番を相談の対象にできます。
熱意:意味を感じられた仕事、目的が見えなかった仕事は?
仕事を好きか嫌いかにまとめず、取り組む意味が分かった場面と、分からなかった場面を探します。
相談の例は「この資料が誰のどんな判断に使われるか知りたい」です。大きなキャリア目標がなくても、目の前の仕事の目的を聞くことから始められます。
没頭:集中が途切れたのは、どんなとき?
通知、確認待ち、会議の入り方など、作業が止まった場面を一つ選びます。
相談の例は「集中する時間を確保したいので、急ぎでない確認をまとめる時間を決められますか」です。
相手の都合も聞きながら、試せる方法を相談します。
裁量:どこまで自分で決めてよいか、迷ったことは?
毎回確認していることや、任された範囲が分からず止まった仕事を振り返ります。
相談の例は「この作業はどこまで自分で判断してよいか確認したい」です。自由を増やしたい場合にも、判断の基準が欲しい場合にも使えます。
つながり:必要なときに相談できた?
仲がよいかどうかだけでなく、仕事で困ったときに誰へ、どう聞けたかを見てみます。
相談の例は「不明点が出たときの相談先と、連絡する方法を決めたい」です。上司本人が忙しい場合には、代わりに確認できる相手も相談できます。
状態別の記入例:忙しい・単調・相談しづらい
以下は使い方を示すための架空の例です。実際の利用者の体験や、効果を示す事例ではありません。
自分に起きていない出来事をそのまま話すのではなく、書き方の参考にしてください。
例1:忙しくて、何を相談すればよいか分からない
- 事実: 昨日、同じ締切の依頼が二つ入り、定例作業と並行して進めた。
- 困りごと: どれを先にするか迷ったが、相談せず全部を進めようとした。
- お願い: 同じ状況になったとき、何を優先し、何を調整できるか決めたい。
昨日は依頼が重なり、優先順位に迷いました。
次に重なったときの判断基準を相談したいです。
単に「忙しいです」で終わらず、確認したいことを添えます。
例2:仕事が単調で、報告する成果も浮かばない
- 事実: 今週も定例の集計作業を予定どおり終えた。
- 気になること: 集計結果がどう使われているか分からず、改善する観点を持てない。
- お願い: 利用する人が何を見ているか教えてほしい。
集計は予定どおり終わりました。
次は使う人に合わせて見直したいので、どこが役立っているか教えてもらえますか。
毎回新しい成果を作る代わりに、いつもの仕事への理解を深める話題にします。
例3:上司が忙しそうで、相談をためらっている
- 事実: 今週、確認したいことがあったが、声をかけるタイミングを決められず翌日に持ち越した。
- 困りごと: 今聞いてよいか判断できず、作業が止まった。
- お願い: 急ぎの確認と、まとめて聞く確認の連絡方法を分けたい。
確認を翌日に回して作業が止まったので、急ぎの場合の連絡方法を決めたいです。
チャットで先に要点を送る形でもよいでしょうか。
相手の反応が不安なら、次の共有範囲の確認を先にしても構いません。
話したくないことまで、無理に話題にしない
仕事上の相談から、私生活や将来の希望まで一度に話す必要はありません。迷ったら、まず業務に関係する事実と、調整してほしいことに範囲を絞れます。
1on1という名前だけでは、その職場での評価との関係や記録の扱いは分かりません。気になる場合は、詳しい内容を話す前に確認しましょう。
- 「この面談では、進捗確認と相談のどちらを中心に話せばよいですか」
- 「面談のメモは、誰まで共有されますか」
- 「ここで話した内容は、評価の際にどのように扱われますか」
答えが曖昧で不安が残るなら、その日に話す範囲を小さくしても構いません。上司本人との関係が悩みで、直接話しにくい場合は、別の上司、人事、社内の相談窓口などに、まず相談の扱いを確認する選択肢もあります。
上司への伝え方をもう少し整理したい場合は、上司との関係がうまくいかないと感じたら試したい3つのアプローチも参考にしてください。
面談後は「決まったこと」を一つ残す
話した内容をすべて記録しようとせず、次に確認することを一つ残します。
- 合意したこと:____
- 誰が・何をするか:____
- 次に確認する日:____
たとえば「急ぎの依頼が重なったら、自分が一覧をチャットで送り、上司と優先順位を確認する。次の1on1で使いにくい点がなかったか振り返る」という形です。
その場で決まらなければ、「誰が何を確認し、いつ返事をするか」だけでも聞いてみてください。次の面談は、このメモを見直すところから準備できます。
よくある質問
成果がない週は、何を話せばよいですか?
いつもどおり進んだ仕事や、小さく迷った場面から選べます。「予定どおり終えたので、次もこの進め方でよいか確認したい」という話題もあります。
目立つ成果を用意することより、その面談で何を確認したいかを一つ決めてみてください。
本当に悩みがないときも、相談を作った方がよいですか?
無理に作らなくて構いません。「今は大きな困りごとはありません。今の進め方で続けたいと思っています」と伝え、上司から確認したいことがあるか聞けます。
面談の頻度や時間が合わないと感じるなら、その運用自体を相談する方法もあります。
上司に「他には?」と聞かれると困ります。
「今日準備したのはこの一つです。ほかに確認しておいた方がよいことはありますか」と返せます。
思いつかない話題をその場で増やす必要はありません。次回までに考えることが決まったら、面談後のメモに残しておきましょう。
面談の話題の奥に、職場のモヤモヤがあるなら
メモを作る中で「誰にも相談しづらい」「自分だけ取り残されている感じがする」と気づくこともあるかもしれません。
1on1でうまく話す工夫だけでは整理しきれない場合は、「職場がしんどい」原因は人間関係だけじゃない|5つのサインと対処法で、日々の仕事の状態から振り返ってみてください。
参考資料
リコー:1on1ミーティングの目的・進め方・面談シートの解説
面談の目的やテーマを確認する際の参考資料です。この記事の記入欄と架空例は、Moyake向けに作成したものです。